「生産宅地」とは、私が作った造語です。「宅地」とは、住宅を建て、そこで人間が消費活動をする場として存在しています。ですが、「生産の場」を有する宅地があっても良いのではなかろうかと考え、「生産宅地」という造語を当ブログで使用してみました。
果樹のなる木を植えたり、小さな畑(家庭菜園)を展開し、小さいながらも自然の恵みを享受する地産地消を目指すことで健康な生活と環境負荷の低減につなげたいと考えています。
また太陽からは生活に必要なエネルギーを分けてもらい、そして大地を人間のためだけに使うのではなく、虫や植物のために開放し自然と共存する、そんな大地の持っているポテンシャルを最大限に生かすのが「生産宅地」という造語です。
人間の利便性や経済性のために必要以上に火力や原子力で発電をし、地球環境を破壊し、といったような生活は人間のエゴでしかないと考える人は少なくないと思います。
ですが、実際にこれだけ便利になっている先進国日本での生活の中で、利便性や経済性を全く無視して生活をすることは不可能ということもまた周知の事実です。そういった日本国内の経済・文化背景の中で、経済性・利便性・見栄えに舵をとった住宅ではなく、持続性・合理性を持たせつつ心の豊かさにもつながる住宅を設計できないものかと考え、建て始めたのが「母と暮らす家」でした。
この「母と暮らす家」は、最小限住宅を目指し敷地の1/2には建物を建てない設計となっており、その大地は虫や植物のための「生息の場」でもあり、生活に必要な作物やエネルギーの「生産の場」として、「生産宅地」のコンセプトが設計の一部に組み込まれています。