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伝統工法によるサスティナブルな世界感の建築

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↑「伝統工法」にて、金物を使わずに組んだ構造材

 

「母と暮らす家」について考えをめぐらせていた時、私自身が自らの「設計ノート」に伝統建築の可能性、またそれに基づいた設計コンセプトをメモしていました。

 いい年をして、ポエティックな文章になってしまい照れくさくもあるのですが、ノートにメモした原文を、皆様にも伝わりやすいように推敲し、公表させていただきました。

母と暮らす家のコンセプト 

 「命を紡ぐこと」こそが、生きとし生けるもの本質であることを、40億年という「生命の歴史」が証明している。仮にそれが遺伝子の利己的戦略であったとしても……

 生命は命を紡ぐために存在しているという、その定めに、その本質に従うなら、やはりその生命が、その生命のよりどころたる「母なる地球」がサスティナブル(持続可能)であることを願わずにはいられない。

 そして現代、少なくとも人類という種が、遺伝子レベルのミクロな視点から、宇宙レベルでのマクロな視点から、生命の本質に迫りつつある現在、人類がその全体性に気付きつつあるにも関わらず、その全体性を捨象し、自らの生存基盤である「地球」や「自然」を破壊する人類の姿を、私は見るに耐えない。目先の市場経済の原理にからめとられ、人類、しいては地球全体がアポトーシスに向かう姿は、あまりに愚かしく痛ましい。

 真にサスティナブルな世界の実現は、現代の理性をもってすれば選択することができるはずだ。サスティナブルな世界の実現には資源の利用と再生の時間的バランスを取ることが極めて重要であると私は考える。

 例えば石油の再生には数億の時が必要であり再生可能とはいいがたいが、木材であれば100年程度で再生可能であり、時間的バランスを取れる可能性がある。

 森林資源の利用量を抑えつつ、再生のタイムスパン以上の利用をすることで再生時間のバランスは実現する。世界最古の木造建築「法隆寺」の1300年の歴史が、その耐久性と伝統の知恵の可能性を示している。現代において伝統工法が見直される価値が、そこにあると思うのだ。

※設計ノートより抜粋 

サスティナブルな世界と伝統工法

 私は建築士として、持続可能な、再生産可能な建築物の立ち並ぶ街並みを夢見ています。私自身も建築界から地球に対してサスティナブルなアプローチをしたいと考え、各業界の人々が皆、同じ志を持ってくれたなら、世界の未来は良い方向を向かうのではないかと考えています。

 上記のコンセプトに書いてある通り、石油系の建築材を可能な限り使わない、木造の「伝統工法の家」を日本に増やすことで、地球にも人間にも有益な住宅を世界に増やしたいと考えています。

 (法隆寺の1300年の歴史が物語るように、伝統工法で複雑に組まれた家の構造は非常に丈夫で、建築時に多少費用が多くかかっても、何世代も家を受け継いで行くことで経済性も高い住宅となってゆきます。)

サスティナブルな建築のフローチャート

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 上記のコンセプトを、具体的に建築物の「形態」や「施策」に落とし込んで、フローチャートで図解してみました。右端の赤文字4つが直接的に「伝統工法」に関わる部分です。次回以降の記事で、この4つの項目を中心に「伝統建築の可能性」について掘り下げていきたいと思います。

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