◆「伝統構法による最小限住宅」のうち 伝統構法については説明してきました
これから数回にわたり、「最小限住宅」についてお話していこうと思います。
今までのやり方を改め、短い期間で少しづつ公開する形にしました。
これは備忘録にもなっているので忘れないうちという意味もあります。
よろしくお願いします!
では本題へ!

なぜ最小でなければならないのか?
このプロジェクトの主眼は全ての生きとし生けるもののサスティナブルな世界の実現です。そのための伝統構法の採用であり、最小限の住まいなのです。
住まいを「最小」にするということは、人のためだけの空間を最小限に抑え、他の生き物たちのための空間を最大限に確保するという考え方です。
つまり、人と生き物が共に暮らせる「シェア空間」をできる限り大きくすることを目指しています。
この発想の根底にあるのは、すべての命あるものが持続的に共生できる環境――サステナブルな世界の実現です。
私が目指しているのは、ただの省スペースではありません。生きとし生けるものへの“慈しみ”の精神こそが、その本質です。
紀元前400年頃、仏陀が説いた「慈しみ」の教えは、現代社会において益々重要になっているように感じます。
人間中心の暮らし方を見直し、他の命と空間を分かち合う――それが、これからの住まいに必要な視点ではないでしょうか。
慈 し み
『スッタニパータ』 韻文「 慈しみ 」(中村元訳)より
一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ。
いかなる生物生類であっても、おびえているものでも、強剛なものでも、ことごとく、長いものでも、大きなものでも、中くらいのものでも、短いものでも、微細なものでも、粗大なものでも、目に見えるものでも、見えないものでも、遠くに住むものでも、近くに住むものでも、すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、一切の生きとし生けるものものは、幸せであれ。
何ぴとも他人をあざむいてはならない。たといどこにあっても他人を 軽んじてはならない。悩まそうとして怒りの想いをいだいて 互いに他人に苦痛を与えることを望んではならない。
あたかも、母が己が独り子を命をかけても まもるように、そのように一切の生きとし生けるものどもに対しても、無量の慈しみのこころを起すべし。
また全世界に対して無量の慈しみのこころを起すべし。上に、下に、また横に、障害なく怨みなく敵意なき慈しみを行うべし。
立ちつつも、歩みつつも、坐しつつも、臥しつつも、眠らないでいる限りは、この慈しみの心づかいをしっかりとたもて。
以上『スッタニパータ』 韻文「 慈しみ 」(中村元訳)からの引用です。
僕のしたかったこと目指したことはこの韻文のこころを現代に蘇らせることに他なりません。
次回は住まいを最小限にすることの具体的な意義について話そうと思います。
