2025.12.09追記しました。

【共に生きる生き物たちからの贈り物 その2】
前回は緑の贈り物を中心に話してきましたが、
・鳥が種を運ぶ
・虫が受粉する
・微生物やミミズが土を作る ミミズコンポスト
いろいろな生き物がいて初めて生態系が持続可能になり、緑からの贈り物を受け取ることができるのです。生命の繋がりこそ豊かな世界を実現してくれます
〈生命からの贈り物〉
・自然から受け取る癒し
生き物、特に緑の効用について色々話してきましたが、生き物には数値にはしにくいけれど心を癒す効果もあると信じています。多分緑の効果だけであれば、脳波や血液などを測定し効果を数値化することも可能だと思います、しかし日々生き物に触れその変化に命を知り生きていることを実感し、生きとし生けるものを感じる、慈しみ嫋やかな心持になれることが最大の効果かもしれません。
少しずれますがある程度研究・分析されているものとして1/f揺らぎがあります。
「1/f」とは、周波数(f)に反比例するスペクトル密度を持つノイズのことです。
1/fの揺らぎは、以下のような自然や人間の活動に見られます:
- 自然音:風の音、波の音、鳥のさえずり
- 音楽:クラシック音楽やジャズなど、心地よいと感じる音楽には1/fの揺らぎが含まれていることが多い
- 人間の生体リズム:心拍の間隔、脳波、歩行のリズムなど
1/fの揺らぎが心地よい理由は、人間の脳や感覚が「ちょうどよい刺激のバランス」を好むからです。これは、完全な規則性でもなく、完全なランダム性でもない、秩序と変化の絶妙な中間にあるからです。
心地よさの理由をもう少し詳しく説明すると:
1.予測と驚きのバランス
人間の脳は、ある程度予測できるパターンを好みますが、完全に予測できると退屈に感じます。一方で、完全に予測できないとストレスになります。
1/fの揺らぎは、「予測できそうで、できない」という微妙な変化を持っていて、脳にとって心地よい刺激になります。
2.自然との共鳴
自然界の多くの現象(風、波、鳥の声など)が1/fの揺らぎを持っているため、人間の感覚はそれに進化的に適応しているとも考えられています。つまり、私たちは自然のリズムに「慣れている」ので、1/fの揺らぎに触れると安心感やリラックスを感じるといわれています。
3.生体リズムとの調和
人間の心拍や脳波なども1/fの揺らぎに近い性質を持っています。外部の刺激がこのリズムに近いと、生体リズムと共鳴しやすく、ストレスが軽減されるという研究もあります。
4.音楽や芸術における魅力
心地よい音楽や美しい絵画にも、1/fの揺らぎが含まれていることが多いです。これは、人間が「美しい」と感じる構造が、1/fの揺らぎに近いということを示しています。
【都市でこそ意義がある!】
視野を広げて街をみたらどうでしょう?僕はやはり住まいと同じように人の専用の場はできるだけ小さい方がよいと考えます。生き物たちの場を最大化すべきと思います。いわゆるコンパクトシティであるべきと思います。
高密度で人が住む場=都市、結果として人間の専用空間化している都市にこそこのプログラム意義と効果が大きいと考えています。生き物たちに生活の場を返すこと、そこに新しい人と生き物たちとのお互いの豊かな場が生まれることは、新しい都市のあり方を示すのことになるのではないでしょうか?住まい造りで大地からの様々な贈り物が都市にも届くはずです。
「生物多様性は単位空間あたりの生物量を最大にし、それにより集め蓄えられる物質やエネルギーなどの資源は最大となり、持続可能性がより安定する」
「本当の豊かさとは、生きていくのに必要十分な物資やエネルギーが豊富に「存在」していることではなく、恒常的に最大限集め蓄えられる「仕組み」であることに気付くべきなのです。仕組みが生まれることでその仕組みが働き、力が生まれる。」
「本当の意味での豊かさを社会に取り戻すには、自然環境を保全し、いかに多くの生物多様性を確保するかにかかっています。環境の多様性とニッチを埋めてくれる生物多様性があれば、自然に自己組織化して生態系は修復され、また最大限物質やエネルギーを集め蓄えてくれるようになるはずです」
(四井真治著 「地球再生型生活記」より)
動的平衡論や散逸構造論も援用しつつ語り、また実践を通して得た、彼の得心は説得力があります。
私はこれに原罪?論の反転を試みた(勝手に思ってますが)「自我の期限」(真木悠介著)の人間の生の肯定が結び付けられたら、人が生物の一部としてこの世界に存在することの意味も肯定できるのではと思っています。これは、今後の私の最大のテーマでもあります
今まで述べてきたような生命からの贈り物は、単一化しがちな都市に生物の多様性を回復するのに大いに役立つはずです、脆弱な持続機能しかない都市の一条?の光だと私は思います!
都市でこそ最小であるからこその困難な課題もあります。生物の多様性は多様な空間から生まれ、空間を多層化するためには丁寧な場の重ね合わせや、繊細な光のコントロールが重要になってきます、最小であるから難しく、これらには僕らのような設計者が役に立つと思っています。

【実現には叡智の集結が不可欠!】
難波和彦氏によれば日本の1950年代の最小限住宅による社会変革は、戦後の住宅難と相まって民主主義の具現化を目指し、「畳式生活空間の解体は、それまでの封建的な家父長制度の解体を意味していた」とあります、畳自体に家父長云々はないとは思いますが、イコンとして当時の人に畳はそう映ったのでしょうか?いずれにせよ、僕たちは、新たな世界観を必要とする時代に向き合っています。
都市の持続可能性のためにも生物多様性を確保する多様性に富んだ空間が必要な事に加え、小さいことは、ライフサイクルで見れば省資源・省廃棄で環境負荷の最小化に極めて有効です。また、最小ボリュームであることはシンプルな形態と相まって、表面積の最小化と省エネルギー実現の根源的な性能を持つことにもなります。
一方で、人の空間の最小化は人の暮らしとのバランスをとるために、知恵と工夫が求められます
そのために、人類の叡智を結集したい!そんなプラットフォーム創りのきっかけになれたらとの思いからこのブログも発信しています。
皆様の意見や指摘、忌憚のない感想などよろしくお願いします。
一緒に考えてみませんか?