こんにちは。イーテック一級建築士事務所の中野剛です。今回は、在来工法と伝統構法の基礎の違いを写真を用いて詳しく説明していきたいと思います。
伝統構法の特徴の一つとして、石の上に柱を立て、固定しない「石場建て」という構法があります。木組みで組んで一体化させた建物を、地面に固定しないことで地震の際に免震性をを得ることができるのが伝統構法の「石場建て」の特徴を言えるでしょう。
在来工法の基礎と「土台」
◆在来工法のコンクリートの基礎
在来工法のコンクリートの基礎は、このような立ち上がりがあります。
コンクリートの立ち上がった部分に、木を横に寝かせた「土台」を設置します。
敷き詰めたコンクリートが住宅の一番下なので、そのコンクリートが「土台」だと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、建築の現場では下に敷かれたコンクリートは「基礎」、その上に乗せられた木を「土台」と呼びます。
在来工法では、コンクリートの基礎の上に木の土台を置き、アンカーボルトと呼ばれる金属で固定します。
伝統工法の基礎工事と「石場建て」
以下の画像は私の設計した「母と暮らす家」の基礎の様子です。
在来工法の基礎と全く様子が違うことがお判りだと思います。上記で説明した通り、打たれたコンクリートの基礎の上に寝かせた木材のことを在来工法で「土台」と呼ぶので、石の上に直接柱を立てる「石場建て」の伝統構法には、「土台」というものが存在しません。
近くで見るとこのような感じです。コンクリートで打った基礎の上に「石場建て」のための「石」が設置されています。この石のことを「礎石(そせき)」と呼びます。伝統構法では「土台」のかわりに「礎石」の上に柱が立つと考えていただければ、違いが分かりやすいかもしれません。
コンクリートの基礎の上に並んでいる「礎石」に柱を乗せた状態がこちらです。「石場建て」は、このように下に敷かれた石と柱が固定されていないことが特徴です。
まとめ
- 在来工法→コンクリートの「基礎」に立ち上がりがあり、そのコンクリートの基礎の上に「木の土台」を設置し、柱をアンカーボルトで固定する
- 伝統工法→「礎石」を設置し、柱を固定せずに立てる
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