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【伝統構法】束石と礎石はどう違うのですか?

こんにちは。イーテック一級建築士事務所の中野剛です。束石と礎石はどう違うの?というご質問をいだたいたので、回答してみたいと思います。

束石と礎石の読み方

 礎石と束石の読み方は以下の通りです。

  • 束石(つかいし)
  • 礎石(そせき)

束石と礎石の違い

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 この写真の中に礎石と束石の両方が映っています。さて、どれが礎石で、どれが束石でしょうか。

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 分かりやすいように近くに寄った写真です。この写真の中にも礎石と束石が映っています。

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これが正解です。赤で囲んでるのが礎石で、青で囲んであるのが束石です。

 この図だけを見ると、太い柱を支えているのが礎石で、細い柱を支えているのが束石に見えるかもしれませんが、そうではありません。

 建物の構造自体を支える柱の下に敷かれている石が礎石と呼ばれ、床などを支える短い柱の下に敷かれている石が束石と呼ばれます。

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 もう一度一番上の写真にもどると、正面に見える4本の柱は建物自体を支えている柱だと分かります。ですから、その下に敷かれているのが「礎石」と呼ばれる石です。

 そして、左右の短い柱は回廊を支えています。建築用語では、このような短い柱のことを「(つか)」と呼びます。そしてその束の下に敷かれた石のことを「束石」と呼ぶのです。

 とは横に寝かせた構造材を支える短い柱のことを指します。横に寝かせた構造材とは、梁(はり)、棟木(むなぎ)、床材などのことを指します。また、束は束柱(つかばしら)と呼ばれることもあります。

 ここまでの話だと礎石と束石は別のもののように聞こえますが、実は礎石と束石は同じものを指します。つまり、写真右下の「束の下に敷かれた石」は礎石でもあり、束石でもあるのです。

束石は礎石の一種

 柱の下に敷かれる石の総称を「礎石」と言いますが、建築の世界では、その「礎石」の形態や目的によって、「束石」「心礎」などと名前を呼び分けています。要するに、「束石」は「礎石」の種類のひとつなのです。

 柱の下に敷かれた石は全て礎石なわけですが、木造建築物の構造の呼称として、建物の中心になる柱を支える礎石を「心礎」、束を支える礎石を「束石」などと呼び分けているのです。

 実際には、礎石と束石を明確に区別しない場面も多く、柱の下に敷かれた石全般を束石と呼ぶ人もいます。ですが、正確には束石とは束を支える礎石であることを知っておくと、建築の話をするときには何かと便利です。

まとめ

  • 柱の下に置かれた石の総称が「礎石」
  • 礎石の一種で、束を支える石の呼称が「束石」